Magnetic

日本のおやつ経験の視覚化

謝 欣欣 / XIE XINXIN

Media:イラストレーション



本作は「日本のおやつ経験の視覚化」という研究テーマで制作をした作品である。日本に留学した私は、母国(中国)では口にしたことがないような日本の食べ物にたくさん出会い、好奇心とワクワク感、新鮮な驚きを感じた。これらの食品は、日本人にとっては馴染み深い食品であっても、中国人の私には初めて見るものばかりで、そんな日本のおやつの面白さ、驚きを、日本人に再発見してもらいたいと感じるようになった。
18種類のおやつについて描いたデッサンの展示位置は1つのおやつを縦の列で揃え、段の中心にある横一列はおやつのパッケージ、下の段はパッケージの中身、上の段はおやつの想像である。展示の一角には、デッサンを描いたときに使用した机を置き、どのような環境でデッサンしているのかを再現した。大学院の2年間で描き続けた試作と共に作品一枚に込められた想いを細かな部分まで感じとってもらいたい。制作のまとめとして、異なる食文化を体験した時の「感動」を表現したデッサンと、その解説を「おやつ綱目」として冊子にした。アイデアの新鮮さやイキの良さを大切にしたいと考え、手書きとパソコン作業を合わせて仕上げた。日頃、何気なく食べているおやつが、外国人にとってはこういうものだったと再発見できるよう意識して制作をした。カンパンなど、被災時の非常食を想定してつくられた食品には日本的価値が内在していて、単に味がおいしいだけではなく、様々な状況を想定した細やかな日本人の心づかいが現れていると感じた。
この二年間、外国人の視点から日本のおやつ文化の魅力を視覚化したことで、おやつの中に宿っている日本的価値を日本人に再認識してもらい、いままで気がつかなかった日本のおかしの新たな一面を感じてもらいたい。

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