Magnetic

interactive of book

何 嘉怡 / HE JIAYI

Media:デバイス



電子書籍が現れ、本がデジタル化する時代において、今後、どのような本が生まれ、本を読むという行為はどのように変化していくのだろうか。わたしは本におけるメディアとコンテンツの関係性ついて興味を持ち、実際にタブレットを使う動作から「指で画面をなぞる動き」に着眼し、本と人のインタラクティブな行為から物語が読めるという作品制作をはじめた。
本作はタブレットを使用したインタラクティブな行為を必要とする電子書籍である。物語は中国に昔から伝わる怪異譚「聊斎志異(りょうさいしい)」に収録されている「狐嫁女(狐の嫁入り)」である。不思議な妖怪の世界を表現するため、画面上には白と黒の2色で構成された影絵風の背景のみが映し出されるが、指先で画面に触れると触れた部分に物語の内容である文字が表れる。画面に触れると、指先から文字が現れることで、タブレットだからこそできる本のいままでにない楽しい体験が可能になる。鑑賞者が実際に画面に触れながら本を読むという行為によって生まれる、本と人のコミュニケーションを意識して制作した。タブレットという小さな画面の中の世界から、改めて本を読むという行為を振り返り、人の「読む」という行為が今後どのように変化していくのかを考察していきたい。

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