Media：プロジェクト
本作は、誰でも制作することができる、ペーパークラフトのお面である。 無料公開されたお面のデータをダウンロードし、プリントアウト、組み立て、装着することで、キャラクターと生身の人間との間の存在に一瞬だけなれる作品となっている。作品を通して、他者と自分との関係を再考する切っ掛けになればと思い、制作をはじめた。 現在、インターネットを通し、さまざまな人が2.5次元マスクを制作・使用できるよう、2.5次元マスクのデータを世界中へ無料配布している。また、このお面を被った写真をハッシュタグ#2_5Dmaskとともに、インターネット上にアップロードも可能だ。アップロードされた写真を見ると、自宅や職場、学校などで撮影されているのがうかがえる。もとよりお面は日常のなかで使うものではないが、この2.5次元マスクはいつでもどこにでも開かれている。なんでもないような日にお面を被るという発想を可能にしている。キャラクターの一部を通して、自分ではない誰かについて想像力を働かせることが、日常の中のいかなる場面において可能なのか。2.5次元マスクは、即時性が求められる今日において、自分ではない誰かに接することをどのようにして適応させるかといった問いを私たちに投げかけてくる。