「殻」から着想を得た写真作品。殻が持つ空洞、「洞(ほら)」の性質を風景に代え表現した。 風景の構成にあたっては全景・近景・内部など「風景」という概念を構成する複数の要素を含ませた。本作を眺めるとき、目はそれぞれの場面が暗示する、なだらかな曲線に沿って導かれる。 円形のフレーミングには、前作の「覗く」という視点を含まれる。また貝の特性である「直線をもたない美」がフレームと一体になり、鑑賞者の意識が「未だ知らない風景」に向かい切り替わる最初のきっかけとなっている。